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気管支喘息(ぜんそく)

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2003.12.24

特に大人のぜんそく(成人喘息)について

喘息というと小児喘息が有名で、大人にもあるのかという方もいらっしゃいます。
しかし、大人の喘息は増える傾向にあり、最近では、呼吸困難がなく咳だけが続く「咳喘息」も増えています。

1・喘息の主な症状とは?

①呼吸困難(夜間や早朝に起こりやすいが、昼間にもなにかの刺激や運動などで起こる)
②運動時の息切れ
③喘鳴(喉や胸がぜいぜいなること)
④胸が重苦しい、痰のつかえた感じなど
⑤長く続く咳

喘息の咳は夜間から早朝、そして運動時に多くでます。喘鳴や胸の症状も夜間や早朝に強まります。軽い喘息症状でも放置しておくと次第に悪化します。
症状が軽いうちに治療することで、症状が悪化することを防ぐことができます。

2・喘息の根本原因は?

喘息の根本的な原因は未だによく知られていません。喘息は気管支の慢性的な炎症疾患です。喘息の患者さんの多くは家族の方に喘息やアレルギーの患者さんがおり、何らかの遺伝的素因(体質)が関係していることが分かっています。

3・喘息発作の誘因は?

喘息患者さんの気管支は正常な人に比べて大変過敏です。喘息発作をひきおこすような物事を誘因とか増悪因子といいます。誘因にであうと気管支は痙攣して収縮します。
つまり喘息発作を起こしてしまうわけです。よくある喘息発作の誘因は次のようなものです。

①アレルギーの原因物質(アレルゲン)

1)ペット(ネコ、犬、小鳥、ネズミ、兎など)の体液、フケ、毛
2)ハウスダスト、ダニ、ゴキブリ、ユスリカ、その他昆虫の糞、死骸
3)雑草や花粉(シラカバ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ等)
4)カビ

②非特異的な増悪因子

1)タバコの煙、
2)ヘアスプレー、化粧品、清掃剤などの臭い、塗料や調理の際の強い臭い、排気ガス、大気汚染
3)感冒
4)運動
5)天候や気温の変化、クーラー
6)解熱鎮痛剤(頭痛生理痛の薬、風邪薬の大部分など)、ある種の高血圧の薬(β遮断剤)など

4・喘息の治療は?

昔に比べ喘息の薬はかなり良くなっています。たまに軽い発作が起こるだけなら気管支拡張剤の吸入のみでコントロールします。毎日咳や息苦しいのが持続する場合は、吸入ステロイドを中心とし、テオフィリン製剤や抗アレルギー剤などの薬でコントロールします。ひどい発作の場合は点滴や内服でステロイド薬を使用しますが、長い目でみると副作用があるので好ましくありません。
それに比べ吸入ステロイドは副作用も少なく、喘息のコントロールに非常に効果的です。

5・喘息は根治可能か?

現状では喘息という病気は根治できません。ただ発症後早いうちに治療すれば、症状を完全にコントロールすることはできます。一部の患者さんは完全に治療を中止することもできます。
ただし将来、再発する可能性は残っています。一方喘息の症状を放置しておくと慢性の炎症のため気管支が細くなり、機能が落ちて回復しなくなります。こうなると治療を中止できないばかりか治療をしても症状が十分改善しなくなります。早期の適切な治療が大切です。